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2018/05/12

Scratch Day@埼玉大学

Tweet ThisSend to Facebook | by:小山航太(管理者)

2018512日(土)

Scratch Day@埼玉大学 ~プログラミング教育をはじめてみよう 2018春~

を実施しました。


2020年からプログラミング教育が必修化されるということで何かと話題にはなっていますが、そんなプログラミングについて一体なんなの?何をしたらいいの?学校ではどんなことをやるの?など多くの疑問がロボットと未来研究会に参加する保護者の皆様からも寄せられています。今回のイベントではプログラミング教育とは何か?ということを子どもたち、保護者の皆様も一緒に体験してもらい、これから起こるだろう教育の変化についてみんなで考えていこうということでイベントを実施しました。


今回のイベントは午前中はプログラミングを体験するワークショップとしてMITで開発されたおそらく世界で一番有名なプログラミング学習用ソフトウェアの1つ「スクラッチ」を用いたワークショップ、株式会社ソニー・グローバルエデュケーションさんによる「KOOV」を使ったワークショップ、富士ソフト株式会社さんによる「プロロ」を使ったワークショップの3つを実施しました。

午後はワークショップを実施していただいた二社さんと野村研究室のOBで現役の小学校教員である鈴谷先生と一緒に「プログラミング教育を進めていくために必要なことは?」というテーマでパネルディスカッションを行いました。

午前中のワークショップには合わせて170名の参加者、午後のパネルディスカッションは30名と事前予約でどの回も満席になってしまうくらい大盛況の中、イベントを実施することができました。



スクラッチのワークショップではセンター代表の野村が

・皆さんの生活の中にはすでにたくさんのロボットが使われています。

・そのロボットを動かすためにはプログラミングが必要。

・プログラミングを理解することで皆さん自身で自分たちの未来を作っていくことができるようになる。

という話から、スクラッチの使い方やスクラッチの特徴について指導しました。スクラッチは無料で利用でき、世界中の人たちが共有サイトを通じさ交流ができるという点で子どもたちの創造力を引き出すツールとして、大きな可能性を持っているということが感じられるようなワークショップとなりました。



KOOVのワークショップでは

・ブロックを使って”ホタル”を作って、プログラミングをしてお尻を光らせよう。

という活動に取り組みました。KOOVの色あざやかなブロックを使って子どもたちが思い思いに自分のオリジナルのホタルを組み立てていきました。プログラミングはスクラッチにも似たブロック型の言語を使って行いました。ブロックの形がシンプルなので、1時間という短いワークショップでしたが子どもたちは十分に考えて作り込むことのできるワークショップでした。





プロロのワークショップでは

・ロボット相撲のパイオニアの富士ソフトさんの開発した教育用ロボットを使ったロボット相撲

をテーマに活動をしました。組み立てなどの必要のないシンプルなロボットを使って、プログラミングに取り組みました。ロボットが壊れたり、パーツが外れたりしない、また箱から出したらものの5分でプログラミングを始められる手軽さから、ロボット相撲の競技に取り組む中で戦略を考え、複雑なプログラムに取り組みことのできるという奥の深さが感じられるワークショップとなりました。



今回のScratch Dayではスクラッチをはじめとして複数のプログラミング学習教材を用いたワークショップを実施しました。今回のイベントの目的は・始めてプログラミングに触れる人にプログラミング教育とはどのようなものかを知っていただくということと”プログラミング教育ではプログラミングを学ぶことではなく、プログラミングを通して何を学ぶかが大切”ということを実感していただくということが1つの目的でもありました。プログラミング教育はともするとある会社の出しているロボット・プログラミング教材の使い方を学ぶことになってしまうという危険性があります。文科省の指針にもある通り、プログラミング教育はプログラミングをする力(コーディング)ではなく、「プログラミング的思考」を育てることが目的であるとされています。そういった前提をもとに、どのような目的で、どの教材を選択するのがいいのかという点については吟味が必要です。今回の3つの教材もそれぞれの特性のあるものでしたが、現在プログラミング教育のための教材や、知育玩具はあまた販売されています。子どもたちにどんな力を育てたいかということを踏まえて、様々な教材が使われていくことが必要だと感じます。





午後のパネルディスカッションでは「プログラミング教育を進めていくために必要なものは何か?」というテーマでソニー・グローバルエデュケーションの川上様、富士ソフトのロボット相撲のプロフェッショナル金井様、野村研究室の卒業生で現役の小学校教員の鈴谷様にパネラーとして参加していただき会場を交えて、議論していきました。


KOOVを使った学校における様々な実践、ロボット相撲の世界的な広がりとそこで行われる子どもたちの成長の可能性についてお二方からの説明があった後で、やはり注目すべきは鈴谷先生のお話になった”学校教育”におけるプログラミング教育の導入についてだったのではないでしょうか。上の2つの実践をどう学校で実施するのか、どう学校教育につなげていくのかという視点から、鈴谷先生が現場で取り組む様々な実践とその難しさについてお話しいただきました。


・教科の中でどのようにプログラミング教育を実施するか

プログラミング教育必修化のポイントは「プログラミングの教科」が作られるわけではなくて、各教科の活動の中でプログラミング的思考を育てることのできるような活動を取り入れていくということらしいです。鈴谷先生が紹介してくださった実践は体育のダンスの振り付けを子どもたちが考える中で、順序や繰り返しなど論理的な考え方(プログラミング的思考)を身につけるというものでした。また文科省から出された手引きに書かれているのは「スクラッチを使って多角形を書いてみよう」などの活動です。このような考え方に基づいて現場では日々、様々な実践が研究され、行われている過渡期とのことでした。

 またそれに対する野村先生のコメントとして「学習指導要領の内容を満たしていれば、応用的な内容も扱うことができるのではないか」とおっしゃられました。これはまさにSTEM的な教育アプローチとも言えて、各教科を単体で学ぶだけでなく、関連つけて有機的に学ぶことでより子供達の興味関心を掘り出したり、より深い知識を学ぶことができるのではないかということを示唆しているようにも思いました。


・学校教育でプログラミング教育を実施するための困難さ

KOOVの実践なども社会科と総合的な学習の時間を利用して実施などとされているが、総合的な学習の時間は縮小傾向にあるとのことです。また英語(外国語)が始まったことでさらにプログラミングを学校で実施している時間はないのではないかということを危惧されていました。

また教材を導入するためのコストも懸案事項とのことです。高価なロボットを1人1台購入するのはは難しい、だからと言って3人1台にした場合、その1台を3人でどう分けるのかということを考えると、家庭から集金をして買うのは難しい。でも一方で、学校の中の予算としても難しい。といういくつもの葛藤が実施にあたり心配されています。

そうでなくとも教師の多忙化は一つの社会問題担っています。なんでも新しいものはいいものだと取り入れていくことは学校で働く教員の首を絞めていってしまうでしょう。。そのような現状を鑑みるに民間企業がプログラミング教育の分野ではこれから学校にどんどん入っていくのではないかということを考えらさせられるパネルディスカッションでした。


様々な先進的な事例や取り組みがある中で、これを全部の公立学校で始めることができるのか、新しい教育格差を生むのではないかという不安についてセンターとしてはその考える中核となりながら今後も、情報発信や具体的な実践に取り組むことができればと思っております。



今回、イベントにご参加いただいた参加者の皆様、

ご協力いただいた富士ソフト様、ソニーグローバルエデュケーション様、スタッフの皆様、誠にありがとうございました。




文責:小山航太







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